ニューズレター
職業安全衛生法の「委託先の管理」の改正予告
職業安全衛生法の「委託先の管理」の改正予告
蕭偉松/陳毓芬
「委託先の管理」は、職業安全衛生分野において非常に重要であるにもかかわらず、見落とされることがよくある重点事項です。労働部職業安全衛生署のウェブサイト上で公表されている労働災害情報から、外部事業者の作業請負による労働災害の割合が依然として高いままであることが見て取れます。会社又は工場自体の運営には職業安全衛生管理の基本に注意を払う必要がありますが、職業安全衛生の関連事故は往々にして「外部要因」の介入により生じます。たとえば、会社の工場設備の修繕が必要となり委託したところ、外部事業者が現場作業の際に防火措置を十分に講じず、作業が完了し現場を離れる際に現場の消防設備又は使用する機械設備の適切な「復旧」を怠り、又は現場を離れる際に巡回点検、機能作動の正常回復の確認をしなかったために、事故発生時に、消防設備等が正常に作動せず、その本来の機能が発揮されない事態が生じることがあります。このように一見すると取るに足らないような「些細な事項」に重大な労働災害が隠れています。
労働部は近年の重大な労働災害が効果的に大幅に削減できないことに鑑み、去年(2024年)11月7日に「職業安全衛生法」の改正草案を予告しました。改正ポイントには、発生源からの建設工事災害防止の強化、業務委託における安全管理の強化、法令違反に対する過料の上限の適度な引き上げ、処罰処分で公表すべき情報の追加・見直し等が含まれています。改正草案では「委託先の管理」について、以下のとおりさらに厳格に規定されています。
1.「事業者は、その一定規模以上の建設工事の計画設計及び施工を委託する場合、事前に計画設計者及び施工者に、工事の特性に基づき潜在的危険有害性を分析させ、予防策を講じ及び安全衛生費用を積算させなければならない。」(改正草案第15-1条)
(1) 現行の職業安全衛生法の規定に基づき建設事業者自身が施工段階において講じる必要がある安全衛生設備及び措置のほか、改正草案は「工事の施主」の責任の強化、加重を図っています。ここでいう工事の施主には、たとえば大型建築工事を建設するデベロッパー、大型工場を建設する製造事業者、又は金融センターを建設する金融サービス事業者等が挙げられます。
(2) 工事の施主は、契約文書で建設事業者に職業安全衛生措置の着実な実施を要求するほか、自らが一定規模の工事の設計又は施工を委託する場合は、その設計者又は施工者に事前にリスク評価、潜在的な施工リスク分析を実施し、必要な労働災害予防設備及び措置を講じ、規定を満たす安全衛生図説及び規範を作成し、安全衛生費用を定量的積算するよう厳格に要求しなければなりません。
(3) 以上より、工事の施主は、将来において一定規模の工事の設計又は施工を委託する場合、契約文書に労働安全に関する要求事項を規定する必要があるのみならず、労働災害予防設備及び措置の実施並びに関連する安全衛生図説又は規範の作成、さらには安全衛生費用の積算が合理的かつ実行可能かどうかについても、さらに注意を払う必要があります。
2.「事業者は、その作業場所、設備を他人に賃貸し又は貸出しする場合、事前に関連する危険有害要因等を告知する責任を負うものとする。」(改正草案第26条)
主務機関は、実務上、事業者が作業場所、設備を他人の使用のために賃貸し又は貸出ししているが、危険有害に関する告知を尽くしていないことによる事故が頻繁に発生していることに鑑み、工場又は機械設備を賃貸する事業者の危険有害告知責任を強化し、他人の使用時の作業の危険有害性リスクの防止を拡大し、社会的コストを削減するために、上記規定を策定しています。
主務機関は、実務上、事業者が作業場所、設備を他人の使用のために賃貸し又は貸出ししているが、危険有害に関する告知を尽くしていないことによる事故が頻繁に発生していることに鑑み、工場又は機械設備を賃貸する事業者の危険有害告知責任を強化し、他人の使用時の作業の危険有害性リスクの防止を拡大し、社会的コストを削減するために、上記規定を策定しています。
3.「事業者と請負人の共同作業の認定を拡大し、元請負人、下請負人がその請負った部分について再委託する場合も、作業間連絡調整、巡回点検、教育訓練等防災事項の対応をしなければならず、発注事業者の委託先の管理に協力しなければならない。」(改正草案第27条)
現行の規定は、請負人、下請人にその請け負った部分を再委託する場合、事前に危険有害告知を行うことのみ要求しています。しかし、実務上、下請けが何層にもわたっていることも多く、かつ請負人は作業項目を請け負った後すぐに下請けに出し、他の事業者が代わりに履行することも多く見られます。そのため、追加規定では、請負人、下請人にその請け負った部分を再委託する場合も、作業間の連絡及び調整、作業場所の巡回点検、指導及び教育訓練のサポート、並びにその他労働災害防止のための必要事項を行うよう要求しています。
現行の規定は、請負人、下請人にその請け負った部分を再委託する場合、事前に危険有害告知を行うことのみ要求しています。しかし、実務上、下請けが何層にもわたっていることも多く、かつ請負人は作業項目を請け負った後すぐに下請けに出し、他の事業者が代わりに履行することも多く見られます。そのため、追加規定では、請負人、下請人にその請け負った部分を再委託する場合も、作業間の連絡及び調整、作業場所の巡回点検、指導及び教育訓練のサポート、並びにその他労働災害防止のための必要事項を行うよう要求しています。
4.「事業者は、工事の施工を2以上の施工者に委託する場合、いずれかの施工者を指定して工事安全衛生全体の統括管理責任を負わせるものとする。」(改正草案第27-1条)
主務機関は、現在実務において並行発注で統括者がいない状況、たとえば建築工事の施主が建築物を工事項目で分けて、土木工事、機械・電気及び空調工事等を並行して請負人に発注し、各請負人は各自の安全衛生に関する委託先の管理システムを有しているものの、統括する者がいない場合が多いことを考慮し、インターフェイスの食い違いにより労働災害が発生することを回避するため、規定を追加し、発注事業者に主要な請負人を指定して安全衛生管理責任を統括的に負わせるよう要求しています。
主務機関は、現在実務において並行発注で統括者がいない状況、たとえば建築工事の施主が建築物を工事項目で分けて、土木工事、機械・電気及び空調工事等を並行して請負人に発注し、各請負人は各自の安全衛生に関する委託先の管理システムを有しているものの、統括する者がいない場合が多いことを考慮し、インターフェイスの食い違いにより労働災害が発生することを回避するため、規定を追加し、発注事業者に主要な請負人を指定して安全衛生管理責任を統括的に負わせるよう要求しています。
今回の「職業安全衛生法」の改正草案は、委託先の管理に関して施主の責任を著しく加重しており、会社の経営や工場の日常運営に重大な影響をもたらすものとなっています。関連する事業者は引き続き法改正の動向に注意し、会社の運営管理において適宜対応及び調整する必要があります。
改正案では関連事項についてより詳細な規定が設けられています。当事務所では「職業安全衛生」のプラクティスチームを設けており、企業の個人情報保護に関する事項についてサポートしております。ご質問やサポートが必要なこと等ございましたら、いつでも当事務所の朱百強弁護士(marrosju@leeandli.com)、林莉慈弁護士(litzulin@leeandli.com)までお問い合わせいただければ幸いです。