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内政部が私法人による住宅に使用する家屋の購入に関する許可弁法を改正
内政部が私法人による住宅に使用する家屋の購入に関する許可弁法を改正
私法人の住宅購入許可制度を実施するため、行政院内政部は2024年5月17日に「私法人による住宅に使用する家屋の購入に関する許可弁法」(原文:私法人買受供住宅使用之房屋許可辦法。以下、「許可規則」といいます)第4条、第14条及び第16条を改正しました(以下、「今回改正」といいます。)。今回の改正の主な内容は以下のとおりです。
1. 私法人が宿舎として取得する住宅に関する制限条件の追加
私法人は原則として居住のニーズがないことに鑑み、住宅が私法人による投機的売買の対象となることのないよう、許可規則は原則として私法人による住宅の取得を禁止していますが、例外として要件を満たせば取得することができるとしています。許可規則第3条第1項第1号の規定に基づき、私法人は用途が宿舎であることに基づき許可を得た上で住宅に使用する家屋を取得することができます。許可規則の施行後、濫用されることがあったため、今回許可規則第4条は以下のとおり改正されました。
(1) 許可規則第4条第1項の家屋の数量制限は、もともと「購入した戸数」とのみ規定されていましたが、誤解のないよう、今回改正では「取得した戸数」となりました。即ち、家屋の数量制限の対象は「購入」方式により取得した住宅だけでなく、私法人が不動産権利の均等化に関する法律(原文:平均地權條例)第79条の1の施行前に購入以外の方法で「取得」した住宅も、この数量制限の範囲に含まれます。
(2) 私法人が購入する宿舎用住宅は原則として「完成物件または中古物件」である必要があります。ただ、大規模な工場移転や運営計画等により青田売りの物件を取得する予定がある場合、例外的に内政部に許可申請することができます。
(3) 私法人が宿舎の名目により、高級住宅を購入することのないよう、私法人の住宅購入金額は、《中央銀行の金融機関による不動産担保ローン業務規則》の高額住宅金額(現行法令の規定に基づき、台北市は新台湾ドル7,000万元、新北市は新台湾ドル6,000万元、及びその他の県・市は新台湾ドル4,000万元)を超えてはならないと規定されています。
(4) 私法人が一定数の従業員を長期的に安定して雇用できるよう、宿舎を使用目的として住宅を取得する場合、その毎月の最低労働保険被保険者数は5人以上でなければならないと規定されています。
2. 私法人の居住に使用する賃貸経営について移転登記が必要となる
許可規則第3条第1項第2号は、不動産賃貸業に従事する私法人は、「居住に使用する賃貸経営」を住宅購入の申請用途とすることができます。ただ、私法人がこのような用途の住宅の取得戸数の制限(即ち5戸、許可規則第5条第2項の規定をご参照ください)を回避することのないよう、今回許可規則第14条において、私法人が許可を得て「居住に使用する賃貸経営」する家屋を購入する際、併せて所有権移転登記を行わなければならないと規定されました。
今回の改正は2024年5月17日に公布、施行されています。私法人が不動産の取得を計画する際、法令を遵守して関連取引を適切に行えるよう、上記規定に留意することが推奨されます。
当事務所の「不動産及び建設プラクティス・グループ」では、不動産及び建設に関連するリーガルサービスに精通しており、不動産及び建設業務に関する新法の動向を引き続き注視しております。不動産業者及び投資者の方におかれまして、今回改正又はかかる規定についての更なるご質問又はご相談がございましたら、いつでも当事務所の朱百強弁護士(marrosju@leeandli.com)、林莉慈弁護士(litzulin@leeandli.com)までお問い合わせ頂ければ幸いです。