ニューズレター
中国での商標侵害は台湾商標法により処罰できるか
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中国での商標又は著作権の侵害が、台湾の商標法、著作権法その他知的財産権に係る刑事責任規範により処罰できるか否かについては、これまでも長らく論争が交わされてきた。「処罰できない」とする見解を採用する者は「中国大陸は現在も依然として我が国の領土であるものの、実際には、中国大陸は自身の法律体系を有しており、我が国の主権も暫時中国大陸には及ばない。したがって、我が国の知的財産法律によって付与された知的財産権の効力は、中国大陸に及び得ない」と主張している。一方、「処罰できる」との見解を採用する者は「現在、事実上の障害により我が国の主権が及ばないものの、中国大陸が依然として我が国の領土である以上、中国大陸での犯罪は依然として我が国の法律による処罰を受ける」と主張している。 |
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最高裁判所が2000年に出した89年度台非字第94号刑事判決は、ある詐欺事件について、「憲法及び憲法の追加規定条文、並びに『台湾地区と中国大陸地区の人民関係條例』(『台湾地区与大陸地区人民関係條例』)の関連規定には、いずれも、中国大陸は依然として我が国の領域であり、我が国は中国大陸に対する主権を放棄していない、と明示されている。現在、事実上の障害により、中国大陸には、我が国の主権が及ばないが、中国での犯罪は依然として我が国の法律による処罰を受ける」と判示している。 |
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その後、法務部の2003年7月16日の法検字第0920803113号通達は同じ見解を採用して、我が国の著作権法によって保護される著作物が中国で複製され、中国でのみ販売された事件について、「依然として我が国の著作権法による処罰を受ける」とする見解を示している。 |
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2011年の最高裁判所100年度台上字第8号刑事判決も、ある著作権法違反事件について、「中国大陸は、法理上、依然として中華民国の領土である」と判示している。 |
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最高裁判所又は法務部の見解に基づいて、中国での商標権侵害が我が国において我が国の商標法の関連刑罰規定をもって追訴、処罰できるか否かは、引き続き注視に値する。 |