ニューズレター
再生医療関連二法、2026年1月1日より正式施行
再生医療関連二法、2026年1月1日より正式施行
莊郁沁/黃亞蘋/卓鄀葳
近年の新興バイオメディカル・テクノロジーの急速な発展に対応するため、再生医療に関する法規は数年にわたり複数の草案を経て検討されてきました。その結果、「再生医療法」(中国語:再生醫療法)および「再生医療製剤条例」(中国語:再生醫療製劑條例)(注:「条例」という名称ですが、国の法令となります)(以下、合わせて「再生医療関連二法」といいます)は、2024年6月4日に立法院(日本の国会に相当)にて可決され、同年6月19日に総統により公布されました。所轄官庁である衛生福利部は、約1年あまりをかけて関連する規則等を策定の上で公布し、行政院(日本の内閣に相当)は2026年1月1日をもってこれらの法律を正式に施行することを決定しました。
再生医療関連二法の概要
再生医療関連二法は、医療の実施側、製剤を作成する側や細胞を準備する側を包括的に規律する法的枠組みを構築し、実務上の管理ニーズに応えるとともに、患者の権利保障を強化することを目的としています。
再生医療関連二法の規制体系は、大きく「技術面」と「製品面」の二つの構造に分かれています。「再生医療法」は、再生医療技術の臨床研究および医療実施に関する規範を中心に定めており、「再生医療製剤条例」は、再生医療製剤の製造、輸入、流通、広告等の承認および管理に重点を置いています。
「再生医療法」及び「再生医療製剤条例」の主な内容は以下の通りです。
一、再生医療法の主な内容
1.再生医療の実施主体
再生医療は医療機関に限定して実施され、実際に施術を行う医師は当該疾患分野の専門医でなければなりません。医療機関以外が無断で再生医療を実施した場合、新台湾ドル(以下同じ)200万元以上2,000万元以下の過料が科され、関連設備や再生医療製剤は所轄官庁により没収されます。
再生医療は医療機関に限定して実施され、実際に施術を行う医師は当該疾患分野の専門医でなければなりません。医療機関以外が無断で再生医療を実施した場合、新台湾ドル(以下同じ)200万元以上2,000万元以下の過料が科され、関連設備や再生医療製剤は所轄官庁により没収されます。
2.人体実験の原則と例外
原則として、医療機関は再生医療技術を実施する前に人体実験を完了し、安全性と医療の有効性を確保する必要があります。ただし、以下の場合は、人体実験が免除されます。
原則として、医療機関は再生医療技術を実施する前に人体実験を完了し、安全性と医療の有効性を確保する必要があります。ただし、以下の場合は、人体実験が免除されます。
(1) 生命が脅かされる又は重度の機能障害をもたらす恐れのある疾病に対する治療として、かつ、国内に適切な医薬品、医療機器または医療技術で代替可能なものが存在しない場合(いわゆる「未承認薬の人道的使用」)。
(2) 法施行前に、医療機関がすでに中央所轄官庁の承認を得て実施していた再生医療技術である場合。
3.研究用組織・細胞の提供者の資格と同意
再生医療に使用される組織や細胞の提供者は、原則として、意思能力のある成人であり、事前に書面による同意を得る必要があります。
再生医療に使用される組織や細胞の提供者は、原則として、意思能力のある成人であり、事前に書面による同意を得る必要があります。
提供者が制限行為能力者、補助宣告もしくは後見宣告を受けている者、行為能力のない者、または意思能力のない成人(例えば、未成年者や認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分または著しく低いため、法定代理人や後見人に保護や支援してもらっている者)の場合、その権利・利益の保障を強化するために、法定代理人または後見人の書面同意に加え、公証を経たのちに効力を生じるようになります。
4.関連規則
衛生福利部は2025年11月17日、12月2日、12月29日に、続けて以下の再生医療法に関する規則を公布しています。
衛生福利部は2025年11月17日、12月2日、12月29日に、続けて以下の再生医療法に関する規則を公布しています。
- 「再生医療審議会組織及び運営規則」(中国語:再生醫療審議會組織及運作辦法)
- 「再生医療研究発展奨励規則」(中国語:再生醫療研究發展獎勵辦法)
- 「再生医療技術及び指定製剤管理規則」(中国語:再生醫療技術及指定製劑管理辦法)
- 「再生医療技術組織細胞提供者のインフォームドコンセント規則」(中国語:再生醫療技術組織細胞提供者知情同意辦法)
- 「再生医療広告及び募集広告掲載管理規則」(中国語:再生醫療廣告及招募廣告刊播管理辦法)
- 「再生医療技術の重大な不良反応報告規則」(中国語:再生醫療技術嚴重不良反應通報辦法)
- 「再生医療細胞操作管理規則」(中国語:再生醫療細胞操作管理辦法)
- 「再生医療技術組織細胞提供者適格判定規則」(中国語:再生醫療技術組織細胞提供者合適性判定辦法)
- 「再生医療細胞操作及び細胞保存庫設置許可料金基準」(中国語:再生醫療細胞操作及細胞保存庫設置許可收費標準)
二、再生医療製剤条例の主な内容
1.再生医療製剤の製造および輸入管理
再生医療製剤の製造または輸入は、原則として、中央所轄官庁への承認審査を申請し、承認を経て医薬品製造販売承認書を取得する必要があります。また、潜在的な有力製剤の臨床利用を加速すべく、再生医療製剤条例では「条件付き承認」制度を設けています。この制度では、第2相の臨床試験を完了し、安全性および初期治療有効性が確認された再生医療製剤については、再生医療審議会の審査を経て、最長5年間の条件付き承認を得ることができるとしています。
再生医療製剤の製造または輸入は、原則として、中央所轄官庁への承認審査を申請し、承認を経て医薬品製造販売承認書を取得する必要があります。また、潜在的な有力製剤の臨床利用を加速すべく、再生医療製剤条例では「条件付き承認」制度を設けています。この制度では、第2相の臨床試験を完了し、安全性および初期治療有効性が確認された再生医療製剤については、再生医療審議会の審査を経て、最長5年間の条件付き承認を得ることができるとしています。
承認書を持っている者がその条件を満たさない場合や重大な安全上の懸念が認められる場合は、衛生福利部は条件付き承認を取り消すことができます。この制度により、新規製剤の承認までの審査期間を短縮することで、生命を脅かすまたは重度の機能障害をもたらす恐れのある疾病の治療ニーズに迅速に対応するとともに、再生医療産業の発展を促進します。
なお、再生医療製剤条例は薬事法の特別法であるため、規定されていない事項については薬事法の規定に準じます。
2.研究用組織・細胞の提供者の資格
再生医療製剤の製造に用いる人体組織や細胞の提供者も、原則として、意思能力のある成人に限られ、また書面による同意が必要です。ただし、特定の患者群の治療に明らかに有益であり、他の提供者で代替できない場合は、例外とされます。
再生医療製剤の製造に用いる人体組織や細胞の提供者も、原則として、意思能力のある成人に限られ、また書面による同意が必要です。ただし、特定の患者群の治療に明らかに有益であり、他の提供者で代替できない場合は、例外とされます。
関連規定に違反した場合、3万元以上200万元以下の過料が科されます。
3.不良反応発生時の救済措置
再生医療製剤の使用により不良反応が生じ、死亡や障害、重篤な疾病に至った場合の救済方法は、以下のとおり使用した製剤の承認類型により異なります。
再生医療製剤の使用により不良反応が生じ、死亡や障害、重篤な疾病に至った場合の救済方法は、以下のとおり使用した製剤の承認類型により異なります。
(1) 条件付き承認製剤の場合は、条件に定める救済措置に従って処置する。
(2) 医薬品製造販売承認書を取得済みの製剤の場合は、「薬害救済法」の関連規定を適用する。
4.関連規則
衛生福利部は、続けて以下の再生医療製剤条例に関する規則を公布しています。
衛生福利部は、続けて以下の再生医療製剤条例に関する規則を公布しています。
- 2025年8月25日付の「再生医療製剤安全監視管理規則」(中国語:再生醫療製劑安全監視管理辦法)
- 2025年10月28日付の「再生医療製剤供給源及び流通情報保存規則」(中国語:再生醫療製劑供應來源及流向資料保存辦法)
- 2025年11月20日付の「再生医療製剤組織及び細胞募集広告掲載規則」(中国語:再生醫療製劑組織及細胞招募廣告刊播辦法)
- 2025年12月1日付の「再生医療製剤組織細胞提供者インフォームドコンセント規則」(中国語:再生醫療製劑組織細胞提供者知情同意辦法)
- 2025年12月4日付の「再生医療製剤承認審査基準」(中国語:再生醫療製劑查驗登記及許可審查準則)
- 2025年12月9日付の「再生医療製剤組織細胞提供者適格判定規則」(中国語:再生醫療製劑組織細胞提供者合適性判定辦法)
- 2025年12月29日付の「再生医療製剤審査手数料基準」(中国語:再生醫療製劑審查費收費標準)
当事務所では「医薬バイオテクノロジー」プラクティスチームを設けております。再生医療関連二法の法体系やコンプライアンス戦略、実務適用に関してご質問やサポートが必要なこと等ございましたら、いつでも当事務所の朱百強弁護士(marrosju@leeandli.com)、林莉慈弁護士(litzulin@leeandli.com)までお問い合わせいただければ幸いです。