ニューズレター
個人情報保護法の改正
個人情報保護法の改正
個人情報保護法の一部を改正する法律案が、2015年12月15日に立法院(日本の国会に相当。)を通過し、同年12月30日に総統により公布されました。施行日は行政院により別途定められます。今回の改正は、個人情報保護法が2012年に施行されて以来の初めての改正となります。当面施行が見送られていた第6条「センシティヴな個人情報」及び第54条「告知義務の補足的履行」等の規定が改訂の上施行されるほか、「当事者の同意」について書面によることを要求していた要式規定を緩和するなどの改正が行なわれました。以下これらについてご説明いたします。
(一)「センシティヴな個人情報」について、病歴を「センシティヴな個人情報」に追加し、また「当事者の書面による同意」を例外事由に追加:
個人情報保護法は、もともと「病歴」を一般個人情報とし、「医療」「健康診断」をセンシティヴな個人情報として分類していましたが、三者の区別は容易でなく、混乱が生じていました。そこで、今回の改正では「病歴」をセンシティヴな個人情報に追加することによりこの問題を解消しました。また、今回の改正ではセンシティヴな個人情報の収集、処理又は利用の例外事由が二項追加されました。追加されたのは「公務機関の法定職務の執行又は非公務機関の法定義務の履行に協力するために必要な範囲内」である場合及び「当事者の書面による同意を得た」場合で、センシティヴな個人情報に関する規定が実務上機能するようにしました。
(二)個人情報の収集、処理又は利用の要件の適度な緩和:
センシティブな個人情報を除き、今回の改正では、「当事者の書面による同意を得て」とされていたのを「当事者の同意を得て」に改正し、同意が書面によることを不要としました。また、新法の規定では、収集者が告知すべき事項について既に明確に告知し、当事者が拒絶の意思を示さずその個人情報を提供した場合、当事者は既に同意したものと推定できるとされています。さらに、新法では、収集者は、本法における「当事者の同意を得た事実」について、挙証責任を負うものと規定されています。新法が施行された後、同意方式は更に多様化すると思われます。
このほか、公務機関及び非公務機関による個人情報の収集、処理又は利用が適法となるための要件について均衡をはかるため、今回の改正において、非公務機関の個人情報の収集、処理及び個人情報の特定の目的外の利用につき、それぞれ「当事者の権利利益を侵害しない」、「当事者の権利利益にとって有利である」等の事由が追加されました。
(三)告知義務の補足的履行
個人情報保護法第54条では、もともと2012年10月1日の個人情報保護法の施行前に間接的に収集した個人情報について、引き続き処理又は利用する必要がある場合は、施行後1年以内に告知義務を履行しなければならないとされていました。しかし、本条については、実務上、この期間が短すぎるとの意見が多かったため、当面施行が見送られていました。今回の改正では、一年の期間制限が削除され、今回の改正の施行後に引き続きかかる情報を処理又は利用する場合は、初回の利用時に告知をすれば足りる旨規定されました。
(四)刑事責任の規定
処罰が過度に厳格となるのを防ぐため、今回の改正では、営利の意図なく個人情報保護法の規定に違反した場合の刑事責任の規定が全て削除されました。
個人情報保護法は、2012年の施行以来すでに3年が経過しましたが、今回の改正で現時点までに実務上生じていた多くの争点、問題が解決されました。今回の改正に合わせて、これまでに個人情報保護法の規定に従って作成された各種の文書、及びワークフローの追加、削除又は改善の可否を改めて見直すことができるようになります。
上記法令についてご質問がございましたら、又はその他の関連法規についての情報をご希望でしたら、お気軽に弊所(お問い合わせ先:朱百強弁護士marrosju@leeandli.com;林莉慈弁護士litzulin@leeandli.com)までご連絡下さい。